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2025.12.05論文

パラミクソウイルスのマトリックスタンパクによる新たなウイルス増殖戦略を解明した国立健康危機管理研究機構主導の共同研究論文を発表しました。

パラミクソウイルスのマトリックスタンパクによる新たなウイルス増殖戦略を解明した国立健康危機管理研究機構主導の共同研究論文を発表しました。


本研究では、パラミクソウイルスが宿主細胞のRNA修飾酵素METTL3を巧みに利用し、自らの増殖と宿主免疫の抑制を同時に達成する新たな仕組みを明らかにしました。ウイルスのMタンパク質が核内のMETTL3を細胞質へ移動させることで、ウイルスRNAにはm6A修飾が付加されて安定性と発現量が高まり、一方で核内のMETTL3が減るため宿主のIFN-β mRNAへのm6A修飾が低下して免疫応答が弱まります。この二重の作用がウイルスの効率的な増殖を支えていることを示しました。


Okura T, Nakai Y, Kameya T, Mizukoshi F, Okura H, Kakizaki M, Kato F, Matsumoto Y, Nakatsu Y, Takeuchi K, Kimura H, Takeda M, Otsuki N, Hasegawa H, Shirato K, Ryo A. Paramyxovirus matrix protein redirects METTL3 to modulate m6A epitranscriptomics and host innate immune response. PLOS Pathogens. Published.