ネコモルビリウイルスに関する田代さん、小西くん（医学部5年生）の論文が国際学術誌に受理されました。

ネコモルビリウイルス（FeMV）は、猫の腎臓に長く潜む特性をもつ新しいタイプのモルビリウイルスです。本研究では、猫由来のウイルス受容体を安定的に発現する細胞を用いることで、ウイルスの増殖や感染により生じる中和抗体を正確に測定できる方法を確立しました。その結果、FeMVに感染した猫は非常に強いウイルス特異的抗体を産生する一方で、その中和抗体は他のモルビリウイルスには作用しないことが明らかになりました。これはFeMVの抗原性が独特であり、他のモルビリウイルスとは大きく異なることを示しています。本成果はFeMV感染の診断法やワクチン開発に役立つだけでなく、獣医学領域に加えて、ヒトに感染するモルビリウイルスである麻疹ウイルスの理解にも貢献する重要な知見です。

Tashiro K#, Konishi K#, Park ES, Hyodo A, Seki F, Kitai Y, Akahori Y, Ju M, Katoh H, Segawa T, Shirogane Y, Itou T, Furuya T, Morikawa S, Takeda M. Feline morbillivirus elicits robust neutralizing antibodies in domestic cats without cross-neutralizing activities against canonical morbilliviruses. J Gen Virol. Accepted. # Equal contribution.