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2026.07.09学会

第4回新型コロナウイルス研究集会・第1回パンデミックウイルス研究集会の特別セッションで竹田教授が講演を行います。

第4回新型コロナウイルス研究集会・第1回パンデミックウイルス研究集会の特別セッションで竹田教授が講演を行います。

https://pub.confit.atlas.jp/ja/event/covid26/content/special


特別セッション3(日本学術振興会「国際先導研究」共催)

7月9日(木)13:45〜14:15

竹田 誠(東京大学大学院医学系研究科 微生物学)


イヌジステンパーウイルスの霊長目動物における感染拡大とヒト受容体利用能の獲得


麻疹ウイルスは、パラミクソウイルス科のモルビリウイルス属に属するヒトの急性感染症ウイルスであり、強い伝染力と病原性を示します。細胞表面のSLAMを受容体として利用し、免疫細胞に感染することが主な特徴です。モルビリウイルスには、麻疹ウイルス以外にも、さまざまな哺乳動物に感染するウイルスが知られています。


その中でも犬ジステンパーウイルス(CDV)は、主に食肉目イヌ科動物を宿主とするウイルスですが、近年では大型ネコ科動物を含む多くの食肉目動物へと宿主域を拡大しています。さらに、2006年から2008年にかけて、CDVによるマカク属サルへの致死的感染アウトブレイクが、中国および日本で発生しました。その後の我々の研究により、CDVがマカク属サルのSLAMを利用する能力を有することが明らかとなり、これがアウトブレイクの一因であると考えられました。一方で、ヒトのSLAM受容体を利用する能力は持たないことから、ヒトへの感染リスクは低いと考えられてきました。


しかしながら、2018年から2022年にかけて、ブラジルにおいてCDVによるマーモセット属サルに対する急性脳炎を伴う致死的アウトブレイクが少なくとも2度報告されました。ブラジルの都市部では野生マーモセットが多数生息しており、人間活動圏に近接した環境で生活していることが知られています。また、これらの地域では犬におけるCDVの流行が確認されており、マーモセットへの適応が促進された可能性が示唆されます。


我々の解析から、従来のCDVはマーモセットSLAMを利用できない一方で、これらの流行株はマーモセットSLAMに高度に適応しており、さらにヒトSLAMの利用能も同時に獲得していることが明らかとなりました。すなわち、これらのウイルスは従来のCDVとは異なり、霊長類のSLAMに適応した変異型CDVであると位置付けられます。本講演では、マーモセット適応型CDVの受容体利用能について報告いたします。