お知らせ・トピック

2023.04.01研究費

ニパウイルスに関する研究提案が採択されました

ニパウイルスの増殖機構の理解と予防制御のための基盤的研究


武田科学振興財団 2023年度 ハイリスク新興感染症研究助成

研究代表者 加藤大志


ニパウイルス(NiV)は細胞に感染すると2種類の封入体(Inclusion body: IB)と呼ばれる構造体を形成する。この2つの封入体はウイルスRNA合成の場であるCytoplasmic IB、ウイルス粒子形成の場であるIB-PMとそれぞれ呼ばれ、液-液相分離によって形成されると考えられる。免疫沈降法および間接蛍光抗体法の結果、Cytoplasmic IBの形成にはウイルスのNおよびPタンパク質が、IB-PM形成にはこの2つのウイルスタンパク質に加えMタンパク質が必要であることが明らかになった。さらにFRAP解析の結果、Cytoplasmic IBが流動性の高い液体の性質を有するのに対し、IB-PMは流動性の低いゲル状の性質であることも明らかになった。また近接依存性標識法を用いて、Cytoplasmic IBに動員される宿主因子を探索し、ウイルス-宿主相互作用ネットワークを明らかにした。これらの成果はNiVの増殖機構を理解するための基盤的知見になると考えられる。