研究内容

パラミクソウイルスの増殖機構 –宿主因子との相互作用-
ムンプスウイルスなどのパラミクソウイルスが細胞内で増殖するために必要な宿主因子を探索し、ウイルス側の因子との相互作用を明らかにすることで、病気を引き起こすメカニズムを研究しています。
宿主プロテアーゼによる呼吸器ウイルス活性化機構
多くのウイルスは、粒子表面にタンパク質の棘(スパイクタンパク質)を持っています。我々は、様々な呼吸器系ウイルスのスパイクタンパク質が、宿主細胞内のTMPRSS2というプロテアーゼによって活性化されることを明らかにしてきました。
パラミクソウイルスベクターの開発・応用研究(ニパウイルスワクチンの開発、再生医療・がん治療用ベクターの開発など)
パラミクソウイルスは、遺伝子治療、がん治療、ワクチン開発などのウイルスベクターとして利用されています。私たちは、臨床応用を目指したさまざまなウイルスベクターの開発研究を進めています。共同研究などを積極的に受け入れていきたいと考えています。
モルビリウイルスの宿主域に関する研究
麻疹ウイルスは人に感染するモルビリウイルスです。他にも様々な哺乳動物(ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコ、イルカ、コウモリなど)に感染するモルビリウイルスが知られています。私たちはこのようなモルビリウイルスの宿主域がどのように決まるかを研究しています。
インフルエンザウイルス、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルスに関する研究
インフルエンザウイルス、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルスは、重要な呼吸器感染症ウイルスです。私たちは、パラミクソウイルス以外にも、これらの呼吸器ウイルスの増殖や病原性発現のメカニズムを分子レベルで解明することを目標に研究を進めています。
弱毒生麻疹ワクチンに関する基礎・応用研究
麻疹のワクチンには、弱毒生ワクチンが使用されています。ワクチン開発の上で欠かせない麻疹ウイルスの実験室継代による弱毒化のメカニズム、生ワクチン株の性状などについての研究を行っています。そして、今、組換え型弱毒生麻疹ワクチンを利用したニパウイルスのワクチン開発を目指しています。
コロナウイルスに関する研究
私たちは、新型コロナウイルスの国内第一例目の実験室診断、実験室診断法の開発、ウイルス分離法の確立、治療薬開発などに深く関わってきました。次のパンデミックに備えるためにも、コロナウイルスに関する研究を継続しています。